LAカンチガイ伝説

 ある日、いつもはひょうきんな魚屋(といってもマーケットの魚コーナーだが)のオヤジさんが頭をかかえていた。ワケを聞いたら「イヤ、こないだ若い女の子(日本人)が魚買いに来てさ〜、このサンマ、ジャムつけたらウマイよっ!て冗談で言ったら、ホントにジャムつけて食ったって。バぁッカだョ〜ほんとにィ..!」魚と付き合って34年、ジャムを塗られたあげくにペッ!と捨てられ、成仏できないサンマにオヤジさんは申し訳ない気持ちでいっぱいだったのである。

 一昨年の夏休みのこと。友人宅に広末クリソツの女子校生が日本から遊びに来ていた。イソーローの割には一向に気を使う気配がない広末にある日、「そのお米洗ってくれる?」と頼んだら、彼女は何と、オモムロにお米に洗剤を入れて洗い出したのだった…。アタシの友人はその女子高生が滞在していた1週間で、およそ3キロのダイエットに成功したそうである。  

  思い起こせば、ずっとセカンドギアーでフリーウェイを走り続け、ベンツの新車を半年で潰したオバハン..。2年間、ずぅ〜とハイビ−ムをつけたまんまでLAの街をひた走っていたオネーサン..。清水焼きは美味くないだの(そんなもんどこで食べたっつーの??)..、“曇り一時雨”を「1時になったけど雨など降らんじゃないか!」と、天気予報に文句を言っていたオジさん..。ビザ申請用紙のSexの欄に「週2回」と書き込んだ某芸能人等々……思い込んだら命がけ、天下一品・品揃えの壮絶なカンチガイには枚挙にいとまがない。

 そこでアタシは考えた。笑っている場合ではないからである。此間その話しをハイビームのオネーサンにしたら、「お米を洗剤で洗うようなおバカと一緒にしないでよ!」と怒っていたが、アサハカとカンチガイとは微妙に質が異なるものの、状況的にはまぁ似たり寄ったりで、オネーサンの主張もイマイチ説得力に欠ける。

 あなたの周囲にもそんな人がきっと存在するだろうし、あなた自身がそんな人である可能性も十分にある得る。いや、多かれ少なかれ誰もが人生においてそれなりにアサハカで、何かしらのカンチガイをしているのではないか?

 清水焼きをセンベイだと思っている程度なら、別段大きな支障はなかろうが、人生失脚に至るカンチガイをしでかしているとしたらコリャ一大事である。たとえば、信じていた神様が単なるイカサマオヤジだったとか、味音痴がコックをやってるとか、愛されているとばかり思ってたら、全然愛されていなかったとか・・ま、これ等は世間でよくある話である。

 さて、カンチガイはどうしたら気付くことが出来るのか? これは案外難しい問題である。他人が見る目で自分のことは見れないし、ホントのことほど相手は怒るし…。誰も自分がカンチガイしているとは思いたくないが、かと言って一生カンチガイでは悲しすぎる。

 どうもサンマの女の子から話がややこしくなってしまった。「嗚呼、どれだけ多くの人々がカンチガイ人生をおくっているのだろう..」と哀しみ暮れていると、一つの新聞広告がアタシの目に飛び込んだ来た。“人生が見える!4日間心霊開発セミナー全課程7万4千円也!!”「う”!!こういったのに参加するのいいカモ知れない..」つまり…これがカンチガイのもとである。 
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