目から鱗の福音日本史 大平正芳

 福田さんにしても、安部さんにしても、今の鳩山さんにしても、最近の日本の首相は、みんな二代目である。いくら親父が偉大な芸術家でも、その息子が芸術家になれるワケではない。スポーツ選手もそう、牧師もそう。

 ところが、政治家の息子はみんな政治家になっている。つまり、努力や才能よりもお金がモノが言う政治の世界。だからちょっと文句を言われただけで、直ぐにやめてしまうのである。

 そんなワケで、最近の日本の政治家に、世界に通用する人など、ほとんどいないという状況下にあって、ただ一人、アタシが一目置いている人がいる。それは誰あろう、大平正芳さんである。こう言うと必ず、「あぁ、そんな人、いましたよねぇ・・“あ〜う〜〜”って言ってた人でしょ?」大体、この程度の反応しかないのだが、この人は、賀川豊彦や矢内原忠雄から直接指導を受けたことがある、れっきとしたクリスチャンであった。

 この大平さんより少し前に、ノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作という首相がいる。「非核三原則制定に重要な働きをした」ということがノーベル平和賞の名目であったのだが、そのきっかけをつくったのが、1967年、当時の佐藤内閣の予算委員会で、「いったい日本は核をどうするんだ!?」という、大平さんの質問であった。

 日本の国会において、この手の質問は、すべからく野党がするものと決まっていた。にも係わらず、当時、自民党の一議員だった大平さんが、この質問を投げかけたのである。それは、牧師が教団の総会で、「牧師の給料を削ってでも、伝道費にあてるべきではないのか!!」と抗議する以上に、勇気がいることであった。

 今の日本の政治は、私利私欲とか、議員同士の馴れ合いとか、己の保身とかのために、法案を通したり、通さなかったり、実際のところ、国民の意見など全然無視と言ったことが多くの現実である。しかし、この時の大平さんは違っていた。世界で唯一の被爆国として、核をこの国に入れてはいけないという信念を持ち、国会の質問台から、非核三原則法案を、佐藤首相の口から(無理矢理)引き出したのである。

 戦後日本の経済的復興は、世界で唯一、非核三原則を制定した国という、神の御旨に従った姿勢がバックにあったからこそ! と言うことと、そのことを成就させたのが、大平さんの信仰であったことは、もっと人(特にクリスチャン)は知っておくべきだと思うのである。今、色々と大切に守ってきたことが、なし崩しになっている世の中である。しかし、こんな時代だからこそ、何が善で、何が悪なのか、何をすべきで、何をすべきでないのか、と言うことを、聖書に基付いて判断し、積極的に行動して行く姿勢が、求められているのである。
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