悪魔の弁護人

 随分おくればせながら、『Devile's Advocate(悪魔の弁護人)』という映画を観た。別にそのまま日本語で使えそうなタイトルなのに、何故かわざわざ『ディアボロス』という邦題が付けられている。

 これはサタンのギリシア語読みなのであるが、クリスチャンさえよく知らないこの言葉を、ナゼにわざわざ一般向けに使ってるのか?? ま、それはともかく、アル・パチーノとキアヌ・リーブス競演ということだけでも、けっこう大作っぽい作品なのだが、残念ながらこの映画、日本ではほとんど知られていない。

 スト−リーは、新進気鋭の若手弁護士が、ニューヨークの弁護士オフィスに破格のギャラでスカウトされた。ところが、そこのボスが実は悪魔だった…というお話し。超セレブな生活と引き換えに、序々に人間性を失っていく主人公。しかし、当人はそれに全く気付いていない。

 しかし、奥さんの前には、悪霊が露骨に姿を現し始め、ノイローゼの果てに遂には自殺に追いやられてしまう・・と、ネタバレさせてしまっては申し訳ないので、これ以上は言わないが、ともかくこの映画、「悪魔って、こうやって人間を誘惑するんだなぁ〜」ということが、実によく描かれている。

 この映画の監督がクリスチャンなのかどうかは分からないが、この作品には、世の中の誘惑と戦っているクリスチャンにしか分からない深みがある。ちなみにプレビューをサイトで検索しながらいくつか読んでみたが、神様も悪魔も、天国も地獄も知らない人々の意見だけあって、どれもトンチンカンなものばかりであった。

 中には、「神は自分の楽しみのために人間に本能を与え、逆の掟を人間に押し付けた。“見ろ、だが見るな!”食え、だが食うな!そうして人間が右往左往するのを、腹を抱えて笑っている。そう、神は実にいやなヤツなのダ! 」という、悪魔の代弁人みたいな悪質なのもあったりして、この世との軋轢を改めて感じた次第。

 途中、気味悪いモンスターや、ヌードンーンがポンポン出てくるので、間違っても教会では試写できないが、男性クリスチャンたる者、この映画は一度観ておいた方がいいとアタシは思う。

 この映画は、「彼女の家は死へ落ち込んで行き、その道は死霊の国へ向かっている」という、箴言(22:18)のサブタイトルを付けたいくらい、その過程は映画的にデフォルメされてるものの、悪魔と人間との関係(イヤないい方だけど)には何の誇張もない。

 アメリカ福音同盟会長だったテッド・ハガード氏の辞任問題(同性愛反対運動の先陣を切っていた福音派の総本山のような組織の会長が、自ら同性愛売春をしていた事件)は、世界中のクリスチャンを仰天させたが、このようなことを、自分とは全く別世界のことのように考えてるようでは、逆に足をすくわれてしまう可能性大である。

 その人の一番弱い所を攻撃してくる悪魔の手口は周知の通り。こないだ、最近異端に走ってしまったある姉妹について相談を受けたが、「自分だけは、絶対にカルトなどにはまるワケがない!!」という根拠のない自信に溢れている人。これが最もカルトにはまりやすい人の特徴である。

 ちなみに、"罪"という言葉は、ギリシア語の"ハマルティア・的外れ”という語源から来ている。「異端にはまるってィや?」というのも、実はここから端を発しているのでは? と、鋭く考察しているのは、おそらく大和カルバリーの大川師と、アタシぐらいなものであろう。

 それにしても、『コンスタンティン』の時もそうであったが、この手の映画(ちょっとホラーまがい)が、日本のクリスチャンの間で話題になるということは、残念ながら先ずない。問題を直視していないのか、全く問題とは考えていないのか、それともただ単に知らないのか、そこのところはアタシにもよく分からない。

 『エミリーローズ』を観た時も、そのあまりのリアルさ故、「はたしてこの映画、ここで紹介して良いものやら??」と、正直迷ったが、この映画に関しては迷わず、世間が何と言おうが、アタシは皆さんに強〜くおススメせねばならない。我々の戦いはこの世のものとではなく、暗闇の支配者である、目に見えない悪霊を相手にするもの(エペソ6:12)だからである。
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